Q. あかぎに入職したきっかけを教えてください。

学生時代に、日本の予防歯科の父である熊谷崇先生のお話を聞いて感銘を受けたのですが、しばらくはそのことを忘れていました。最初に務めた群馬県の歯科医院では、ただ削って詰めるをくりかえしで「歯医者って本当につまらない仕事だな、いつかは辞めるだろう」と思っていたんです。

結婚を機に東京の板橋の病院に移り、そこの先生が予防歯科をやっていて、学生時代のことを思い出しました。それからはやりがいを感じて仕事ができるようになりました。ただ、二人目の子供が生まれてから、体力的に難しい状況になってきました。患者様がいる仕事なので、子供が熱を出してもすぐにかけつけられないことを考え、実家に帰って母のサポートを受けることにしたんです。館林に帰って、板橋まで通う生活になったのですが、体力的な限界を感じました。

開業も考えました。これまで小児から大人の歯科をやってきましたが、高齢者の歯科はあまりやっていませんでした。開業するとしても、それを学んでからにしたいと思っていたところ、信頼する先生からあかぎを紹介されました。

その1年ほど前から非常勤で働いておりスタッフの人柄もわかっていましたし、理事長先生から経営についても学べるというお言葉をいただいたため、入職に迷いはありませんでした。今後自分が開業をめざしていることもお話しして、それでも良いですよと広い心で迎え入れて下さいました。

Q. あかぎに入職してからの印象を教えてください。

まずバイトの面接のとき、みなさんにお会いして、すごく暖かかった。いい職場だなと思いました。

訪問歯科は初めてでしたので、外来と同じような治療が出来るのか不安もありましたが、機材なども外来と同じように治療ができ、驚きました。器具が少なく、患者様の体勢もこちらに合わせてはもらえないのですが、頭を使って創意工夫するところがかえっておもしろいと思っています。

訪問の経験が少ない中で役職を与えていただいたので、スタッフの中に「なんで」という感情が生まれてもおかしくない状況でしたが、みなさん優しく迎え入れてくださって助かりました。

そのほか、本部から約50kmも離れていますが、週に3日も足繁く通っていただいています。普通に開業したら全部一人なんですよね。守られている感があります。

訪問を経験しなければ、こんなにもたくさんの高齢者の方が孤独に過ごしている、日本の現状も知ることはなかったと思います。視野が広がりました。

Q. あかぎで働いていて、よかったことを教えてください。

成長していくところですね。理事長先生自身が、どんどん成長する姿を見せてくれるんです。私たちも現状維持ではいられません。人間としても、業務も成長していきます。

私がただ毎日を過ごすということができない人間なので、この法人に合っていると思います。逆に現状維持でいたい人にはつらいかもしれないです。

肩書きに縛られない点も良いですね。医療界は遅れていて、お医者さんが絶対偉い、あとはぞろぞろついていくということが多いと思います。それは私も古い考えだと思っています。ただ役割が違うだけなんですよね。

館林はたまたま歯科医師の私がマネージャーをしていますが、他のクリニックだと歯科衛生士さんやアシスタントさん（歯科医師や歯科衛生士の資格を持っていない人）のこともあります。風土としてすごく素晴らしいと感じています。柔軟な考え方も。得意不得意を見抜いて、歯科医師ではない人もそういうことをやるのはすごいなと思います。

Q. そのほかに、あかぎに向いている人・向いていない人の特徴はありますか？

明るく、患者様や家族、施設スタッフ様とコミュニケーションがとれる方が向いていると思います。未経験でもコミュニケーション能力があれば何とかなります。患者さんともお話ができるし、たくさんいる先輩に色々聞いたりもできます。

私は予防歯科から入っているのであまり感じないのですが、9割の人は「歯科医としては治したい」という壁に当たると思います。訪問歯科では、社会的背景や患者さんの状態やご希望を考慮した上で治療のゴールが決まってきます。歯科医として100点だと思うゴールが、患者さんが求めるゴールとは違うことも多々あるんです。緻密な診療になるので、自分が思うベストを押し付ける人は向いていないと思います。

Q. 最後に、応募を検討している方へのメッセージをお願いします。

あかぎは大きい法人ですので、さまざまな人と出会うことができます。1日中部屋の中にいながら仕事をするスタイルではないので、季節を感じながら仕事ができることも魅力です。人と関わるのが好きな方、地域に貢献したいと思っている方、ぜひご応募をお待ちしております！